Titanium Mobile 3.0 RC がつい最近リリースされ、新バージョンが目前ですね。
今年の前半は 4ヵ月くらい Titanium Mobile を触りました。何もないところから流儀を身につけてそれなりのコードを書き、2ヵ月半くらいで [iPhone|Android] アプリの両方をリリースしました。
今回はその経験を踏まえて、自分なりの iPhone, Android 両対応の Titanium Mobile における設計の流儀をまとめておこうと思います。「設計の流儀」
自分が作った経験に基づいていますので、以下のような内容になります。念頭に置いてお読みください。
A) Native 部分とスマホ向けのWebサイトを組み合わせたハイブリットアプリ向け
B) ゲームアプリではないので、3D などのTipsは含まれていません。
C) Titanium に限らず、スマホアプリを作るときはいつも当てはまるだろう、という事項も含まれています。
1. Android -> iPhone の順で設計する
iPhone より Android の方が出来ることが少なく、また Titaniumでの実装上の罠も 2.x 系では多い気がしました。よって、こちらをベースに先に作業した方が後々苦しまなくて済むと感じました。
UI は当然のことながら全然違うし、APIによって使える使えないが勿論存在するので、両対応を考えるなら汎用的に使えるコンポーネントで組み立てた方があとあと楽になれるかもしれません。そうした「使えそうなコンポーネント」を選ぶにあたって使えるのが御存知 「KitchenSink」です。
KitchenSink は iPhone, Android の両方で(できれば実機で)動かしてみることを強くお勧めします。それによって、それぞれのプラットフォームにおける見た目や動きが把握でき、しかもその中身がサンプルコードとして見ることができるからです。本やWebでコンポーネントの情報を把握することもよいのですが、実機での動きに勝るものはありません。
2. Titanium で出来ることと出来ないことをきちんと把握しておく
当たり前だろう、と石が飛んできそうですが、出来ることの限界が意外にわかりづらかったり、作っている途中で「これはできない」とわかったりするのが Titanium の世界だったりすると自分は思っています。。そうでもないですかね(´ー`; )
当たり前のことですが、Titanium Mobile を使えば iPhone や Android で使える機能が全部使えるとか考えてはいけません。対応していない機能は [Objective-C|Java] でモジュールを書く必要があるため、それなりの労力が必要になってきます。
Titanium のバグで動かない API をモジュールで代替せねばならない場合もあります。自分の場合は、 Android で 音声認識機能 を Intent 経由で呼びだそうと思ったらうまくいかなかったので、モジュールを書いた経験があります。
https://github.com/mumumu/Titanium-Android-VoiceRecognition
また、出来ることと出来ないことについての限界を知る目的でも、上で述べた KitchenSink は大変役に立ちます。骨の髄までしゃぶりつくしましょう。
3. iOS 向けの対応ハードはきちんと吟味する
これは Titanium に限ったことではありませんが、iOS 向けの場合は、必要な機能によっては使えるハードが限られてしまうので、iPhone や iPod、 iPad のどの世代から使えるのか、設計および実装時にきちんと吟味しておきましょう。
iTunesConnect Developer Guide にハードごとの機能互換性が表になっています。
http://developer.apple.com/library/ios/#documentation/LanguagesUtilities/Conceptual/iTunesConnect_Guide/B_DeviceCompatibilityMatrix/DeviceCompatibilityMatrix.html#//apple_ref/doc/uid/TP40011225-CH17-SW1
最近はそれぞれに世代も進んできたので、差は小さくなっているのかもしれませんが。
自分の場合はカメラのオートフォーカスが弱いことが理由で一部機能が iPod Touch や iPad で使えなかったりした経験があります。
4. Webサイトが既にあり、組込む予定がある場合は、Webサイトとアプリでやることをはじめに切り分ける
アプリから組み込みブラウザでスマホサイトを呼び出せますが、組み込みブラウザのパフォーマンスはそんなに期待できません。WebView にモバイルサイトを表示させれば全て快適に動くなんていうハッピーな世界は期待してはいけません。特に3G では通信速度の問題もありますし、一気に張れるコネクションの数がそんなに多くないからです。LTE ではまた違うかもなのですが。
ハードの機能が必要な部分のみアプリで、という思考に行きがちですが、その点は以下のような態度がよいのではないかと思いました。
スピードが必要な部分ではアプリで。それで面倒な仕組みのみ、スマホサイトに任せる方式が現実的
5. アプリから組み込みブラウザ(WebView) を用いて、Webサイトを呼び出すときの注意
上で述べた通り、組み込みブラウザのパフォーマンスはそんなによくありませんし、自分がアプリを作ったときは 3G の通信ではかなり遅く感じました。なので、以下のような流儀が役に立ちました。
・できうる限り通信の本数は最小にする
1本あたりの通信がとても重いです。そのため、以下の流儀が役に立ちます。
a) 小さなモバイル向けの画像については、data スキームを大いに活用しましょう。
b) CSS や JS も可能な限りHTML内部に収めましょう
c) jQuery Mobile はダウンロード・実行ともにとても重かったのでキャッシュが効
かない iOS 向けではminifyした上でアプリ内部に納め、ページロード後にeval
させるという荒業を使った経験があります。
・テキストのコンテンツは gzip 圧縮する
やむを得ず js, css などをダウンロードさせざるを得ない場合は、必ず圧縮して転
送しましょう。jsonも当然対象です。
「HTML5 Web アプリケーションのつくりかた」というエントリもとても参考になります。
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まとめ
なんだか基本的なことばっかりのような気もしますが、Titanium は Android が特に罠が多いように思います。それぞれのプラットフォームの特徴を見極めながら作るのは経験も必要だとは思いますけど、予備知識がそれなりにあれば大分違うよね、という思いでまとめてみました。何かのお役に立てれば幸いです。
では明日の担当 @h5y1m141 さんにバトンタッチします! よろしくお願いします。
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